麗しき隣人

夫両親から「今日はお風呂(浴槽)が入ったよ」と報告あり。
新居は夫実家の横なんで、工事の進み具合を逐一報告してくれる。とても有難いような迷惑のような。現場監督からはその都度連絡をもらっているし、自分達もちょくちょく見には行っているんだけど。夫両親は、新居なんだからもっとはしゃいで見に来るもんじゃなかろうか、と思っているらしい。はしゃぐって。
以前、家を建てることが決まって打ち合わせの段階のあれこれ話を夫両親にしたら、「楽しいのは今だけ」とか「実際に生活が始まったら浮かれてはいられない」だの、水を差す発言をしたのは憶えてないんだろうか。憶えていないんだろうな。そういうもんだ。でも生活が始まれば、そうは言ってられないことばかりだろうし、そういう細かいことに目くじらを立てるような、そんな心理状態でいたら、こっちの身が持たないだろう。こういう時、大雑把な性格で救われることもあるんだと、滅多にない自分の雑さに期待するばかり。頑張れ、私。


友人やママ友からは、夫両親と一緒に暮らすこと(家は別だけど)に関して、「よく決心したね」や「えらいね」と言われるけれど、比較的ここら辺の田舎は、同居や敷地内別居はあたりまえの地域なんで、むしろ土地あまってるのに、わざわざ離れて暮らす方が勿体無い、という話も聞くぐらい。
でも自分の実家の地域は、やっぱり親世帯と一緒に暮らすなんていうのは珍しいようで、まだ始まってもいないのに「大丈夫?」とか(笑)「大変だね〜」といった絶望的な声色で言われたりもする。そんなこと言ったって、結婚すれば夫両親や親戚家族がいるのは当然なんだし、いずれ年取って人の世話になるのは、自分達だって同じことなんだし、でもそういう先々の話を今しても、誰もまさか自分が子どもとその結婚相手に疎んじられるとは思ってもいないんだろう。そういう私も、夫に先立たれたら、大人になって結婚した娘と一緒に暮らしたいか、と言われたら・・・正直悩む。「一緒に住もう」と快く言ってくれる相手を選んだ娘に成長したとしても。こういう時、娘には私と夫と夫両親の関係性をどう見せるか、どう感じ取ろうとも娘の自由で、私も隠す必要はないと思うけれど、それでも家族間の微妙な距離感や緊張感を、幼い頃から身近で見ていれば、社会に出てから何らかのプラスには多少なるかも・・・という親心はある。
実は私も父方の祖父母と完全同居の家庭で育ち、母VS祖父母の関係性は、大人になってから(祖父母が他界してから)母の口から少しづつ聞くまで、よくある世の中の舅・姑話なんてうちには関係ないと思っていたぐらいだった。それだけ母は出来た嫁だったし、母の世代(60代後半以降)の女性は、嫁の立場というものを当たり前として全うする人が多いのであろう。そんな母の娘である私は、その血を受け継がずダメダメ嫁なんで、まぁはっきりいって、孫の立場って気楽なもんなんです。でも気楽な孫でいられたのは、母のおかげであるわけで、伸び伸びと大人の顔色を窺わずにすくすく育つには、やっぱり母の腕にかかっているんだな。私・・・出来るのか?